(ルートインBCリーグ栃木ゴールデンブレーブスの本拠地=写真提供・Full-Count)
■NPBドラフト、5人が指名を受ける
独立リーグの草分け的存在として知られるルートインBCリーグが、グラウンド以外でもさまざまな活動を行っていることをご存じだろうか。2024シーズンは競技面での成果とともに、地域社会の価値創造プラットフォームとしての進化が顕著となった。
創設以来初となる7球団1地区制での運営となった2024年シーズン、神奈川フューチャードリームスが4年ぶりの優勝を飾り、信濃グランセローズは独立リーグ日本一を達成。NPB球団や海外独立リーグとの交流戦開催、教育リーグへの選手派遣などを通じて、野球のレベルをあげるなど、グラウンド内でも熱量はある。
10月のNPBドラフト会議では、阪神の4位で町田隼乙捕手(埼玉武蔵ヒートベアーズ)、楽天6位で陽柏翔内野手(茨城アストロプラネッツ)が指名されるなど、育成を入れると5名が指名を獲得。リーグ創設以降18年連続でNPBドラフトに選手を輩出し、累計75名という実績を築いている。
リーグは現在、様々な課題に取り組んでいる。1つ目は観戦環境の改善だ。記録的な猛暑への対応としてナイター開催期間の設定を計画。MLBのピッチクロック導入を試験的に開始するなど、より魅力的な観戦体験の創出を目指す。
それから選手のキャリア支援の充実。セカンドキャリアセミナーでは、企業ブース形式を採用し、選手と企業の直接対話の機会を創出。現役期間から将来を見据えたキャリア形成支援を強化している。
持続可能な経営基盤の確立も目指している。年間300回以上の地域貢献活動を実施し、延べ4万人が参加。また、2025シーズンからの山梨球団の正式参入が決定し、千葉球団も準加盟審査中など、着実に規模を拡大している。
NPBジュニアトーナメントへの招待参加が決定。リーグ加盟8県の小学生250名から16名を選抜し、次世代育成にも力を入れている。野球を核としながら、地域の企業や住民を結びつけ、新たな価値を生み出すプラットフォームとなることを目指している。日本の地方創生という社会課題と野球振興という業界課題。その両方の解決に向けて、ルートインBCリーグの挑戦は続く。