これも大谷翔平効果と言えるだろう。
ドジャースを牽引する3人の選手に早速ニックネームが付いたのだ。
「ムータニマン」
ウルトラマンやガッチャマンみたいな響きがあるが、これからきっとそんな感じで愛される名前になるのだろう。
1番ムーキー・ベッツ
2番大谷翔平
3番フレディー・フリーマン
このドジャースが誇る1番、2番、3番の打線が「ムータニマン」と呼ばれるようになったのだ。
例えば開幕3戦目のカージナルスとの試合。
翌日のスポーツ新聞に「ムータニマン」の文字が躍る。
試合内容は、こうだ。
1回裏、先頭のベッツが出塁するとすかさず2番大谷がライト線の2塁打(走塁死)で続く。すると3番フリーマンが3塁に残ったベッツをあっさり返す。
3回には、ベッツがホームランを打つと四球の大谷を一塁に置いて今度はフリーマンがスタンドに叩き込む。
結局この日の「ムータニマン」は、3人で12打数5安打6得点。
とにかく相手からすると手が付けられない上位打線がいきなり誕生したのだ。その3人を開幕から「ムータニマン」と呼び出したのだ。
さて、ここからが今回の本題だが、テレビ中継を通じて多くの人が大谷に注目するのは当たり前だが、誤解を恐れずにあえて言えば、ファンのみなさんに大谷よりも見てもらいたい選手がいるのだ。
特に野球少年たちに……。
それは1番を打つムーキー・ベッツ(31歳)。
グラウンドでは大きく見えるベッツだが、身長175センチ、体重82キロ。
日本人と変わらない身体性なのだ。
しかし、このサイズでもメジャー最高峰(年俸3000万ドル))の選手として活躍している。今シーズンも開幕2戦目から3戦連続でホームランを打っている。
彼の偉業は挙げたらきりがないが、トリプル3(スリー)や首位打者、シーズンMVP やゴールドグラブ等、守備の表彰も数多く受賞している。もちろんオールスターゲームも常連だ。
大学には行かず高校からレッドソックス傘下に加入。マイナーで着実に実力をつけてメジャーデビュー後は、欠くことのできない選手として活躍を続けている。
そして何より、彼の強みは内野も外野も守れることだ。今シーズンはセカンドやショートで軽快な動きを見せているが、センターやライトを守ってもその守備はメジャーを代表するレベルだ。
ちなみに大谷翔平は身長193センチ、体重95キロ。
フリーマンも身長196センチ、体重は100キロ。
一般的な日本人選手には、まったく参考にならないサイズだ(笑)
だからこそ言いたい。
日本の野球少年たちよ。
大谷に憧れて尊敬するのは良いが、目指すならムーキー・ベッツだ。
昭和33年4月7日生/新潟県新潟市出身
慶応大学野球部→東芝野球部→ヤクルトスワローズ入団(昭和60年)
同年5月11日の阪神戦にてプロ野球史上20人目となる公式戦初打席初ホームランを放つ。
5年間のプロ野球生活引退後、オーストラリアで日本語教師を経験。帰国後スポーツをする喜びやスポーツの素晴らしさを伝えるべくスポーツライタ―の道を歩む。
オリンピックではリレハンメル、アトランタ、長野、シドニー、ソルトレークシティー、アテネで、サッカーW杯ではアメリカ、フランス、日韓共催大会でキャスターを務める。
現在はあらゆるメディアを通して、スポーツの醍醐味を伝えている。
2022年7月の参議院議員選挙で初当選。