「東大に甲子園球児2人が入部」
コロナ架で重苦しい空気が漂うスポーツ界。
そんな中で、きらりと光るニュースを見つけた。
東京六大学野球、東大に2人の甲子園球児が入部したというのだ。(7月21日配信 スポニチアネックス)
甲子園出場者2人同時の入部は、38年ぶりのことだという。
ひとりは、福岡・東筑高校出身の別府洸太朗外野手(17年夏の甲子園)。
身長1メートル73センチ、体重72キロ、右投げ左打ち。
もうひとりは、静岡高出身の梅林浩大内野手(18年春の甲子園)。
身長1メートル80センチ、体重80キロ、左投げ左打ち。
二人とも浪人生活を経ての東大合格だが、リーグ戦42連敗中の同校野球部にとっては心強い新人の入部と言えるだろう。
慶応義塾大学野球部OBとしては、他校の新人に感心している場合ではないが、甲子園に出場して、なおかつ難関の受験を突破した六大学の後輩という意味では、彼らの入部に素直に敬意を表したい。
学生野球は、春の甲子園と夏の甲子園が新型コロナウイルスの感染拡大で中止となり、高校球児に同情が集まっているが、大学野球も全国各地区の春のリーグ戦がまだ行われていない。
東京六大学野球は、延期に次ぐ延期でなかなかスケジュールが立たなかったが、8月に各校1試合総当たり方式の短縮リーグ戦(8月10日~17日)が予定されている。
ただ、東京では依然として感染拡大が収まらない。
場合によっては、8月のリーグ戦(無観客、中止の可能性もあり)だけでなく、秋のリーグ戦開催にも影響があるだろう。大学の野球部員も春からずっと新型コロナウイルスと戦っているのだ。
大学野球だけを特別視するわけではないが、長い伝統の中で各地区のリーグ戦が果たしてきた役割は、野球の試合を見せるだけにとどまらない。応援のスタンドに座った学生たちは、母校の応援歌を歌い、校歌を高らかに合唱することで母校愛を育み、学生同士の連帯感を高めてきた。
それもスポーツの持つ大切な機能であり魅力だ。
大学の授業も依然としてリモートが続き、せっかく大学に入った新入生たちも登校できない状況が続いている。いつか環境が改善されて、彼らが大学に集まってきた時に、野球の応援も学生生活に彩を添えることになるだろう。
その時に備えて選手諸君には、しっかりと自分の練習を積んで欲しいのと、学生のみなさんには、新型コロナウイルスに負けず、母校の応援に是非行ってもらいたいと思う。
蛇足だが、母校慶応には必ず東大を倒してもらいたい(笑)。
昭和33年4月7日生/新潟県新潟市出身
慶応大学野球部→東芝野球部→ヤクルトスワローズ入団(昭和60年)
同年5月11日の阪神戦にてプロ野球史上20人目となる公式戦初打席初ホームランを放つ。
5年間のプロ野球生活引退後、オーストラリアで日本語教師を経験。帰国後スポーツをする喜びやスポーツの素晴らしさを伝えるべくスポーツライタ―の道を歩む。
オリンピックではリレハンメル、アトランタ、長野、シドニー、ソルトレークシティー、アテナで、サッカーW杯ではアメリカ、フランス、日韓共催大会でキャスターを務める。
現在はあらゆるメディアを通して、スポーツの醍醐味を伝えている。