先週の当コラムで「中学の部活動が転換点に直面している」と書いたその日に、
プロ野球の大先輩、王貞治氏(84歳、ソフトバンク球団会長)が都内で会見を開き、「球心会」の立ち上げを表明した。
これはソフトバンクのビジネスではなく、王さん個人として取り組みであり、100年先を見越した野球振興のプロジェクトだ。
題して「BEYOND OH ! PROJECT」
「OH」は、もちろん王さんの「OH」だが、同時に「大谷OHTANI」の「OH」でもあるという。
「彼が賛同してくれたら、こんなにうれしいことはありません。だけど彼は現役。邪魔はしたくない。いずれ彼も卒業するでしょうから、卒業したら一緒に歩んでいきたい」とその思いを王さんは説明した。
「球心会」という組織を作って、少年野球、中学、高校、大学、社会人、プロとすべての世代を束ねていく。歴史があるがゆえにそれぞれの統括団体が独自の活動ができるメリットもあるが、野球界全体で課題に取り組むような一体感がない。だから野球振興も局所的で単発的になってしまう。
王さんが感じている危機感は、こうした状況から生まれる野球界全体の地盤沈下だ。
先週も紹介したように、中学校の野球部員は、この10年間で約10万人減少している(現在141320人、42.37%減)。
王さんは、記者会見で3つの課題を挙げた。
●野球ができる機会不足
●野球熱の低下
●日本マーケットの縮小
そして、今後のアクションとしては次の様なことを計画している。
●幼少期ベースボール原体験
●地方創生ボールパーク開発
●次世代メディア巻き込み
●野球指導者向けスクール
●アジア市場開拓
●法人&基金立ち上げ
今の野球界に必要なことは、まさにこういうことだと思う。
そしてこうした現状と活動を野球界だけでなく、自治体、教育界、経済界、メディアを巻き込んで、大きなムーブメントとして展開していくことが必要だろう。
そして、そのために青島は何をやるべきか?
プロ野球OBとして、少年野球、中学野球、高校野球、大学野球、社会人野球の経験者として、少しでも王さんの力になれるように活動していきたいと思う。