文部科学省から発表された2022年度の「学校保健統計調査」に驚くべきデータを見た。これは子どもたちのいわゆる健康診断結果である。
その中の視力についての報告。
視力1.0未満の子どもたちが過去最高を更新したのだ。
裸眼視力の結果は以下の通りである。
幼稚園で1.0未満の割合(24.95%)
小学校で1.0未満の割合(37.88%)
中学校で1.0未満の割合(61.23%)
高校生で1.0未満の割合(71.56%)
参考までに調査を開始した1979年度の1.0未満の割合は以下の通りある。
幼稚園(16.47%)
小学校(17.91%)
中学校(35.19%)
高校生(53.02%)
こうした子どもたちの視力低下の原因について、文部科学省はスマホやタブレット端末の利用時間の増加が要因と見ている。コロナ禍も手伝って、ここ数年は子どもたちが画面に向き合っている時間は、間違いなく増えているはずだ。
子どもたちの視力低下、この問題は紛れもなく「令和の断面」と言えるだろう。
これをダーウィン的観点で捉えれば、子どもたちの目が現代の環境に適応して進化しているともいえるのだろうが、これはもう大変な社会問題として考えなくてはならない事態だ。
文部科学省も21年3月に、画面を30センチ以上離れて見ることや就寝1時間前は端末の使用を控えることなどを呼び掛ける通知を出している。また21年度から小中学生の端末の使用時間や外遊びの時間などを調査する3か年事業を開始。来年度にその結果が公表されることになっている。
こうした中でまたまたスポーツが大きな役割を果たしそうである。
近視の研究によると、屋外で浴びる日光が近視抑制に役立つそうだ。スポーツをしなくても外で日光に触れるだけで効果があるようだが、時間を忘れてスポーツをすれば身体も強くなり、仲間とのコミュニケーションも図れる。
朝日新聞の記事では、台湾の取り組みが紹介されている。
台湾では、学校教育に屋外活動を積極的に取り入れた結果、子どもたちの視力改善が見られたというのだ。
日光に当たると言っても、何もしないのでは退屈だ。
歩いたり、走ったり、ハイキングをしたり、外遊びを積極的にする。
そして、そこに上手くスポーツを取り入れられればさらに効果は増すはずだ。
子どもたちの視力低下を、スポーツを通じて改善する。
ここでもスポーツの出番である。
昭和33年4月7日生/新潟県新潟市出身
慶応大学野球部→東芝野球部→ヤクルトスワローズ入団(昭和60年)
同年5月11日の阪神戦にてプロ野球史上20人目となる公式戦初打席初ホームランを放つ。
5年間のプロ野球生活引退後、オーストラリアで日本語教師を経験。帰国後スポーツをする喜びやスポーツの素晴らしさを伝えるべくスポーツライタ―の道を歩む。
オリンピックではリレハンメル、アトランタ、長野、シドニー、ソルトレークシティー、アテネで、サッカーW杯ではアメリカ、フランス、日韓共催大会でキャスターを務める。
現在はあらゆるメディアを通して、スポーツの醍醐味を伝えている。
2022年7月の参議院議員選挙で初当選。